婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
「さて、買い出し行くか。どこがいい?」

「どこでも大丈夫です」

「てか、敬語やめろよ。もう夫婦なんだし」

「いきなりやめるのは無理です」

「敬語使ったらお仕置な? お仕置してほしかったら敬語でもいいけど」

「敬語やめるから、お仕置はやだ」

「それはちょっと残念。あと、呼び捨てでいいから」

「分かった。呼び捨てにする」

お仕置って言った時の顔めっちゃニヤニヤしてたし、絶対えげつないことしてくるよね。

それはごめんなので、大人しく言うことを聞くことにします。はい。

「今日の夕ご飯何食べたい?」

「クリームシチュー」

「この季節に?」

「今日少し寒いからちょうどいいよ」

クリームシチューとは、意外な答えだったな。

ステーキとかハンバーグとか、そういう系リクエストされるのかと思ってた。

「クリームシチューなんて意外、って思ってるだろ」

「智明はエスパーなの?」

「いや、蛍が分かりやすいだけだよ」

智明なら、俺実はエスパーなんだよねって言われても納得できる気がする。

裏社会の仕事してそうな雰囲気、ちょいちょい醸し出してるし。

私に言ってないだけで、実はそうなのかな? なんて考えてみたり。
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