婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
「改めまして、中原蛍です。この度、智明さんと入籍させて頂きました。よろしくお願い致します」

「智明の父の秀明です。よろしくね」

「母の紀江です。こんなに可愛い子がお嫁さんに来てくれて嬉しいわ!」

「お義父さま、智明さんにそっくりですね」

「よく言われるよ」

「あと、弟の光明がいる。今日は仕事」

弟がいるなんて初めて知った。

さっき廊下に飾ってある写真をチラッとみたけど、智明の隣に立ってたのが光明くんかな。

「蛍さんは一人っ子なのかい?」

「はい、一人っ子です」

「そうなの、うちは2人とも男の子だからね。一緒にショッピングとか、行ったことないのよ」

「買い物なら行くじゃん。スーパーに」

あの、智明さん?

多分そういう買い物じゃないと思うんですけど。

「私も一人っ子で、父と母が忙しかったのでショッピングは1人で行くことが多かったです」

「そうなの!? 色々落ち着いたら一緒に行きましょうね!」

「はい、ぜひ!」

お義母さまとショッピングに行けるなんて、すごい楽しみだな。

オシャレなお店も沢山知っているだろうし、色々勉強させてもらおう。

それから話が弾み、お昼ご飯をご馳走になって夕方頃、智明の実家を後にした。
< 23 / 146 >

この作品をシェア

pagetop