婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
「ドイツ来たー!」

「念願のドイツはどうですか?」

「最高です!!」

飛行機から降りるなり、私のテンションは最高潮に達した。

雑誌とかで見てたけど、やっぱりすごくいいところだ!

「あ、光明。迎えに来てくれたんだ」

「空港まで来てって言ったの兄さんじゃん。蛍さん、初めまして。弟の光明です」

「初めまして、蛍です。よろしくお願いします」

光明くんに実際に会うのは初めてだけど、智明より大きいな。

智明と話す時も見上げなきゃいけないから大変なのに。

「兄さん、どこでこんな美人捕まえたの」

「バーでプロポーズされた」

「ちょっと智明、それは言わないでよ」

「蛍さんからプロポーズしたんですか?」

「私はあんまり記憶にないけど⋯そのようですね⋯」

「兄さんに酷いことされたらいつでも頼ってください。僕が嫁にもらうので」

「絶対光明には譲らないし。てか、酷いこともしねぇし」

「この人、普段猫被ってるから本性知った時驚いたでしょ」

「まぁ、少しは⋯」

さっきから長身の兄弟に挟まれ、首が痛いです。

それに、光明くんと話してる時、智明が子供っぽくなるのが可愛い。

「光明くんはいくつなの?」

「蛍さんと同じ、26歳です」

なんと、まさかの同い歳。

同い歳には思えないほどしっかりしすぎでは?
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