婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
「おはよう、よく寝れた?」

「うん、おはよう。智明早起きだね?」

「気づいたら目覚めて、蛍の寝顔ずっと観察してた」

「ふぇっ!?」

「あんまりにも可愛い寝顔だったから、つい」

寝顔観察されてたとか、めっちゃ恥ずかしい。

「今日は朝飯食べたらすぐ街に出るけど大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ」

「じゃあ、飯食いに行こうか」

サラッとメイクをして、智明と一緒に朝食会場に向かう。

こんなに堂々と食事して大丈夫なの、って聞いたら芸能人じゃないから気にしなくていいって言われた。

だけど、さっきからすれ違う人たちの視線が痛いです。

「どれも美味しそう」

「沢山歩くだろうから、いっぱい食べとけよ」

「うん、分かった」

朝から色んな料理を満喫した私たちは、その足でモーニングコーヒーをもらいに行く。

やっぱり、朝にコーヒーは飲んでおきたいよね。

「さて、出発しますか」

「今日の格好変じゃない?」

「全然変じゃない。綺麗すぎて誰にも見せたくないくらいだ」

「そういう照れることサラッと言わないで」

「顔真っ赤にして可愛いね」

私も智明のこと照れさせるようなこと言いたいのに、言葉が出てこない。

次何か褒められたら逆に褒められるように、勉強しておかなきゃ。
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