婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
そういえば、智明が近々パーティあるって言ってたけどお義母さまが言ってるのもそれのことなのかな。

「蛍さんも智明から聞いてると思うけど、今度うちの会社が主催するパーティがあるの」

「少しですが、お話は伺っておりました」

「小さいパーティだけど良かったら参加してね」

「私が参加して場違いじゃないでしょうか⋯」

「何言ってるの。場違いなんてとんでもない、蛍さんは誰よりも美しいわ」

「そんな⋯ありがとうございます!」

お義母さまにそう言って頂けるなんて、本当に嬉しいな。

「蛍さんは、どんなお洋服を着るの?」

「そうですね⋯パーティなどでは落ち着いた色味を、普段は割と明るめの服を着ますね」

「そうなのね。パーティの時はあまり派手な服だと目立ってしまうものね」

「えぇ、小さなお子さんなら可愛らしいで済みますけど歳を重ねると色々言われてしまいますから」

パーティ自体が嫌いなわけじゃないけど、服装とか身なりについてあれこれ言われるのが苦手だ。

好きなものを着て出席するのが一番いいんだけど、正装はしないとね。

「このドレス試着してくるわね。蛍さんは好きなように見てて」

「はい、分かりました」

お義母さまが試着をしに行き、私も自分のパーティ用のドレスを選ぶことにした。
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