婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
お義母さまとのショッピングは本当に楽しくて、時間を忘れて買い物をしてしまった。

「そろそろお腹減ったわね。何か食べる?」

「はい、そうしましょう。お義母さま、何か食べたいものありますか?」

「そうね⋯パスタなんてどうかしら?」

「いいですね!」

またもやお義母さまの行きつけのお店に行くことになり、今日だけで随分オシャレなお店を知ることができたなと思う。

「今日は2人でお出かけかい?」

「あなたこそ、こんなところにいるなんてどうしたの?」

「夕飯外で食べるって連絡来てたから、夕飯を食べに来たんだよ」

「あらそうなの。それなら、一緒に食べましょう」

「蛍さん、私も失礼していいかな?」

「えぇ、ぜひ。お義父さまもパスタとかお好きなんですか?」

「そうだね、昔はそうでもなかったんだけど結婚してからよく食べるようになったかな」

お義父さまがそう言うと、お義母さまは照れくさそうに下を向いた。

きっと、お義母さまの好きなものがパスタだから結婚してから食べる機会が増えたということなのだろう。

「智明とは上手くやれてるかい?」

「はい。色々お世話になっています」

「そうかそうか、これからも智明を頼むよ」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

やっぱり、お義父さまとお義母さまはとても素敵なご夫婦だ。

オシャレなレストランというのも相まって、尚更美しく見える。
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