婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
智明 side

「蛍、身体平気? 辛いところない?」

「うん、平気だよ⋯」

「ごめん、久しぶりだからって飛ばしすぎた」

「腰なくなるかと思った⋯」

「ごめん、少し水飲みな」

蛍に水を手渡し、そっと頭を撫でる。

久しぶりの蛍に興奮してがっつきすぎたな。

真っ白い蛍の肌は赤く紅潮し、身体のあちこちに俺が付けた赤い花が咲いている。

蛍は赤がよく映えるな。

「智明は、身体平気なの」

「俺は余裕。蛍はかなりへばってるみたいだけど、大丈夫か?」

「そりゃあ、あんだけ飛ばされたらへばるから! ピンピンしてる方がおかしいのよ!」

「すまない、機嫌を直してくれないか」

「私が前から行きたいって言ってたパスタ屋さんに連れて行ってくれたら許す」

「分かった、明日のランチはそのお店にしよう」

「明日お仕事じゃないの?」

「仕事だけど、ランチはどこで食べても問題ないんだ。だから、その店に行こう」

「うん、ありがとう!」

そう言って喜ぶ蛍があまりにも可愛くて、思わず2回戦をおっぱじめてしまいそうだ。

まぁ、そんなことしたら蛍に何言われるかわかんないから、我慢我慢。

いくら蛍と交わるのが久しぶりとはいえ、理性はあるもんね。

その日はそのまま風呂に入って、抱きしめあって眠った。
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