"密"な契約は"蜜"な束縛へと変化する
「秋吾さん、そーゆーのは口に出さないで下さい!もっと違う誘い方があったでしょ?」

次第に火照っていく顔を見せまいと秋吾さんの胸に顔を埋めたままに訴える。

「例えば、どんな感じですか?」

秋吾さんは抱きしめていた腕を緩め、私を少しだけ身体から引き離す。顎を指で上向きにされ、秋吾さんとの顔の距離が近くなる。

「本当は萌実さんを帰したくないんですよ。今すぐにでも貴方を自分のものにしたい」

「……んっ、」

そう言って秋吾さんは私にキスをする。一度目は軽く触れただけのキス。その後、桜のイヤリングを付けている耳たぶにキスをされ、直後に目が合った。二度目は濃厚な大人のキス。とろとろに蕩けそうな位に骨抜きにされ、秋吾さんは私を欲しているのが分かる。
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