"密"な契約は"蜜"な束縛へと変化する
私は秋吾さんの言うことは聞かずに、奏さんとどんどん歩いて行く。秋吾さんはとぼとぼとゆっくり歩き、私達はもうすぐ旅館に着きそうだった。

「めぐちゃんは彼のどこが好きなの?」

「一途で誠実なところでしょうか。あと容姿も好みです!」

「ふぅん、そうなんだ。私の彼氏はね、めぐちゃんみたいに綺麗で可愛いんだ。私はずっと好きで、やっと付き合えたのに……喧嘩しちゃった」

奏さんに腕をギュッと掴まれていて、痛いくらいだ。

「でもね、めぐちゃんに会えたから寂しくないよ!」

腕に絡みついて、身体を密着させてくる。奏さんは、私よりも胸が大きめみたいだ。着痩せするタイプなのか、目で見るよりもボリュームがありそう……。奏さんの大きな胸をぎゅうぎゅうと押し付けてくる。ふわふわな感触に悪い気はしないが、私は恥ずかしくなってきた。
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