"密"な契約は"蜜"な束縛へと変化する
脱衣場からふと覗くと、秋吾さんは貸し切り風呂に入って寛いでいた。入るか入らないか、どうしようかと思っていたのだが、秋吾さんは直ぐに上がって来た。秋吾さんが入っている間に着替えの浴衣など持ってきたのだけれど……。

「後から一緒に入りましょう。今、萌実さんの裸を見てしまったら、楽しみがなくなってしまいますから、我慢します。先に入ってすみませんでした、ゆっくり入って来て下さいね」

秋吾さんはタオルでさっと身体を拭き、下半身にバスタオルを巻いた姿で脱衣場に戻って来た。濡れたままの髪の毛と無駄な脂肪がない鍛えられた上半身が、何とも色っぽく感じる。

少し見ただけでも、鍛えてると分かる身体。忘れ物をして届けた時に秋吾さんが言ってたことは本当だったんだ。

秋吾さんは私を脱衣場に置き去りにし、着替えを持って部屋に移動する。

奏さんは彼氏が来てくれたから大丈夫だとして、問題は私が貸し切り風呂を上がった後だ。男性と初めて身体を重ねる。果たして上手くいくのだろうか?

胸の高鳴りを抑えきれないまま、身体を洗って貸し切り風呂に入ると満点の星空が見えた。綺麗だな……。無事に初体験を済ませたら、秋吾さんと一緒に星空を眺めながら貸し切り風呂に入るのも良いかも。
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