君と僕に永遠を。
    転校少女 aotoside
 いつものように登校し、自分の席につくとクラスメイトが騒然としていた。特に思い当たることはなかったが、その理由はHRでわかった。担任が今日からクラスメイトが増えるという趣旨の話を始めた。興味は心底なかった。たった1年同じ空間にいることになるだけだ。転校生なんて探せばいくらでもいる。先生はその少女に僕の席の隣に座るように指示した。隣に座った少女は僕の性格を知る由もないので他のクラスメイトと同じようにおそらく緊張と期待が混ざっているこの瞬間に作れる1番の笑顔であろう表情で僕に話しかける。
「初めまして!りるって言います!みんなよりちょっと遅れちゃったけどよろしくね、お隣さん。あ、メアド交換しよ!」
「ああ。僕の名前はあおとだ。よろしく。」
精一杯の愛嬌を振り撒く彼女に対して僕は精一杯の無愛想でそっけない返事をする。
「お隣さん」と言われたことで彼女の性格がなんとなく垣間見えた気がして少し警戒する。
その後すぐにクラスメイトが彼女をとり囲む。
僕と彼女は1番居合わせてはいけない種類の人間であると思う。混ぜるな危険なのである。
僕はああいう人との距離が近い人間が1番苦手だし、彼女の目のハイライトが消えていくところを見ると彼女もなんとなくそれを察していたように感じた。あの様子だと僕と彼女は席が隣であるだけで授業中の必要最低限の会話以外で接触する必要性はなさそうだ。僕はホッと胸をなで下ろした。実際、その日はそれ以外の会話をすることはなかった。
その日家に帰ると、彼女からメールが届いていた。
【今日はありがとう!改めてこれからよろしくね!早速なんだけど、今日の宿題教えてくれない?】
やはり距離が近い。彼女は僕の中で苦手な人間に属す。
メールを返すと僕は課題に取り掛かった。
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