因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
「おはよう、和華」
「お、おはようございます」
それだけ言った後、照れくさくて布団に顔を隠す。
そういえば、昨日は太助くんに突然迫られた混乱と恐怖で、自分から彼の布団にお邪魔したんだった。
光圀さんは相変わらずぐっすり寝ていたから、枕元にプレゼントを置いて、そっと彼の懐に潜り込んで――。
そうだ、プレゼント。光圀さん気づいただろうか。
「いつまでそこにもぐっているつもりだ? せっかく、人生で初めてサンタクロースにもらったプレゼントを見せようと思っているのに」
そんな台詞と共に布団越しにポンポン頭を叩かれ、私はガバッと布団から顔を出す。
そして、白々しいと思いつつも彼に問いかけた。
「プレゼント、もらえたんですね?」
「ああ。美しい天然石をあしらった絹の羽織紐だった。目を覚ました時にはもうサンタの姿はなかったから、ありがとうと伝えられなかったのが心残りだ」
光圀さんが、優しい目をして私の瞳を覗く。それだけで彼の感謝の気持ちが伝わり、私はにっこり笑って告げた。