因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
「光圀さんのところへ来たサンタ、友達なので言っておきます」
「そうか。プレゼント、とても気に入っていると伝えてくれ」
「はい」
ますますうれしくなって、満面の笑みで頷く。
光圀さんは私を抱き寄せ、優しく髪を撫でながら言った。
「なぜきみがうれしそうな顔をする?」
「なんででしょうね?」
「そういえばプレゼントの入っていた紙袋は、昨日きみが大事そうに抱えていたものと瓜ふたつだったな」
「ふふっ。サンタさんと同じだなんて、すごい偶然」
クスクス笑いながら布団の中で抱き合い、お互いの香りや温もりを確かめ合う。
クリスマスの朝に、彼とこんな素敵な時間を過ごせて幸せだ。
「……昨夜は迷惑をかけてすまなかった」
私を緩く抱きしめていた光圀さんが、ふと申し訳なさそうに言った。
「記憶、あるんですか?」
「いや、パーティーの途中からほとんど思い出せない。しかし断片的に、きみと伊織に支えられてここまで来たのは覚えている」
と、いうことは、食堂で私を押し倒したことは覚えていないんだ。
ちょっと残念な気もするけれど、恥ずかしいからちょうどよかった。