因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
「頭痛とか吐き気とか、大丈夫ですか?」
「夜中に目が覚めた時は少し頭が痛かったが、その後風呂に入ったら楽になった。吐き気はまったくないな。むしろ、腹が減ってきたところだ」
光圀さんはそう言って、浴衣の上から平らなお腹を撫でる。
「私もお腹が空いてきたところなので、そろそろ起きましょうか」
「ああ、そうだな」
冬の朝は寒いので光圀さんの温もりを手放すのは惜しいけれど、空腹には勝てない。
観念して布団を出た私は、枕元に置かれたものを見て目をぱちくりさせた。
「えっ? これは……」
畳の上に鎮座していたのは、五十センチ四方の浅い桐箱。
花柄の和紙とリボンでラッピングされており、リボンの隙間には【Merry Christmas】と書かれた小さなカードが挟まっている。
私が眠る前には、こんなのなかったと思うけど……。
「和華にもサンタが来たんじゃないか?」
布団の上で正座をして固まる私に、光圀さんが言う。
サンタって……そんなのいるはずないのに?
「開けてみるといい。間違いなくきみ宛てだ」
私の傍らに跪き、自信たっぷりに言い切った光圀さんを見つめ、ようやくハッとする。
これ、光圀さんが用意してくれたプレゼントなんだ。
夜中に目を覚ましたと言っていたから、きっとその時に。