因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
まさかのサプライズに感極まって、箱に伸ばした手が震える。
胸を高鳴らせながらリボンと和紙の包装を解き、ゆっくり桐箱の蓋を開けた。
「素敵……」
入っていたのは、黒地に大ぶりの椿が描かれたクラッチバッグと、鼻緒にお揃いの柄を使った草履。
うっとりするほど綺麗だけれど、細工の凝った金のチェーンやバッグの上質な布はひと目で安価なものではないとわかり、遠慮がちに彼を見る。
「これ、とっても高価なものなんじゃ……」
「サンタがくれたものの値段を気にするのは無粋というものだ。遠慮なく受け取ればいい」
「光圀さん……」
今までクリスマスに縁のなかった彼が、一緒にお祝いしたいとケーキやご馳走を用意してくれていただけで感激していたのに、こんな素敵なプレゼントまで用意してもらえるなんて思ってもみなかった。
胸がじーんとして、思わず涙目になる。
光圀さんはやわらかい笑みを浮かべて私の顔を覗き、そっと尋ねた。
「サンタに伝えるから教えてくれ。……嬉しいか?」
「はい! 嬉しいです、とても」