因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
「これ以上はやめておこう。弟子に見つかったらなんと言われるか」
「そうですね。朝の座禅に影響してもよくないですし」
「……耳が痛いな。部屋に戻ったら、今夜は特別長く発散させてもらおうか」
「えっ」
特別長くって、いつも、わりと長いですけど……。
ドキッとして思わず身を引くと、光圀さんがおかしそうに笑う。
「それは冗談だが、和華は子どものこと、本心ではどう思っているんだ? 俺は、世継ぎがどうとか関係なく、きみとの間に子が欲しい。それが正直な気持ちだ」
光圀さんの質問を受け、そっと自分の胸に手を当てる。
世継ぎ問題は解決したから、子づくりを慌てる必要はない。それでも、自分の体についての不安や疑問が残っている状態ではモヤモヤする。
このスッキリしない気持ちは、私自身が彼との子どもを望んでいる証拠ではないだろうか。
「私も、欲しいです……。だから、やっぱり病院へ行かなくちゃダメですよね」
過去の火傷以外、けがや病気とは縁がなかったから、病院へ行くのは億劫だ。
万が一、なにか悪い病気が見つかったらと思うと、さらに二の足を踏んでしまう。