因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました

 ドキ、と耳の奥で鼓動を感じていると、光圀さんが私の手首を掴んで縁側の床に倒した。

「光圀さん? まさかここで……」
「見ているのは俺と星だけだ」
「ですけど、こんなほとんど外みたいな場所で……」
「こんな場所で俺に火をつけたきみが悪い」

 ぞくりとする低音で囁き、光圀さんの手が浴衣の衿を掴んで強引にくつろげた。

 こぼれた双丘を掴まれ、音を立てて吸われる。

 最近、彼が「邪魔だ」というので浴衣の下にブラを着けるのをやめているが、今日ばかりはそれを後悔した。

 こんな格好を星空のもとに晒されるなんて、恥ずかしくてどうにかなりそうだ。

「一年に一度の逢瀬で我慢できる織姫と彦星が信じられないな。毎日抱いていたって、こんなに欲しくなるのに」
「や……そんなにしちゃ、ダメ……」

 私の膝を抱え上げた彼が、私の中心を口で愛撫している。とろとろとした食感のオクラや山芋は苦手なくせに、私の蜜なら喜んで啜る彼が恨めしい。

 抗えない快楽の波に飲み込まれ、固い縁側の上で大きくわななく。光圀さんはその刺激が抜けきらないうちに、私にのしかかった。

「あぁっ……ん」
「あまり大きな声で喘ぐな。離れのみんなに聞こえてしまうぞ」

 忠告しているわりに、光圀さんの口角は楽しげに上がっている。

 私は仕方なく自分の中指を咥え、光圀さんに突き上げられるたびにそこを強く噛んだ。

 彼の肩越しに見上げた星空の美しさに、わけもなく謝りたくなるほど淫らなひととき。

 それでも、久しぶりに妊娠にとらわれず純粋に求め合えた時間は幸せで、私たちは夜更けまで縁側の上に転がり、熱い肌と吐息を重ねてい

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