因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
【なんとしてでも時間を作って会いに行く。なにか欲しいものはあるか?】
【光圀さん】
間髪入れずに返ってきた和華の答えに、思わず身悶える。
別居中でよかった。今彼女がそばにいたら、危うく妊娠中の身だというのを忘れて抱き潰すところだ。
【かわいいことを言わないでくれ。今すぐ会いたくなってしまう】
【私もです】
【今すぐ会って、きみに触れたい。キスをしたい】
昂る感情のままそんな文面を送信し、ふと我に返って赤面した。
なんと節操のないメッセージを送ってしまったのだろう。彼女が悪阻に苦しんでいる最中に、本能を丸ごとぶつけてどうする。
しかも、既読はついたのに和華からの返信がない。呆れられたかもしれない。
いや、落ち着け醍醐万斎。和華はそんな薄情な妻ではないはずだ。
スマホを握りしめてパニックになること数分。スマホが再びピロン、と軽やかな音を立て、俺はパッと画面の新しいメッセージに視線を走らせる。