因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
何度もカメラの角度を変えて、これだと思える一枚を撮影する。
【部屋に花を飾ってみました】
メッセージとともに写真を送信すると、ぐうとお腹が鳴った。
先ほど買ったお弁当は食堂に置いてあり、自分のタイミングで食べに来ればいいと太助くんに言われている。今からさっそく行ってみよう。
光圀さんからの返事は仕事が終わるまでないだろうしと、スマホを文机に置いて、自室を出た。
食堂でひとりお弁当を食べていると、冷凍パスタを手にした家政婦の柴田さんがやってきて、同じテーブルで食事をした。
楓子さん以外に四人いる家政婦は、とても面倒見がよく話好き。
光圀さんと一緒に柴田さんに挨拶した際も、『醍醐先生、香道にばかりかまけてばかりいないで、奥様を大切にしないとダメですよ』と忠告され、光圀さんはたじたじになっていた。
あの時の彼の気持ちが、今の私にはよくわかる。
「あのねぇ和華さん、新婚なのに寝床が別なんてダメよ」
「そ、そうでしょうか」
「そうよ~。和華さんから夜這いをかけてごらんなさい。涼しい顔してたって、先生も男なんだから」