婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「これは、我が国の歴史の本。忘れないように時々読み返すんだ」

「歴史ですか?」

 表紙には一と記されているので、まだ何冊もありそうです。

「国の成り立ちや他国間との関係やその時代に起きた様々な事件や出来事を知っておくことも大事だからね。新しい情報も仕入れておかなくてはならないし、そのほかにも勉強しなきゃいけないことはたくさんあるから、いろんなものに目を通しておくんだ」

「勉強家なのですね」

 仕事もお忙しいでしょうに、勉強もしていらっしゃるんですね。一通りの知識習得ではよししない方なのでしょう。

「俺は王子として王宮に残ることが決まっているし、エドワード兄上が即位した後は王弟として補佐する役も決まっている。だから、知識を蓄えておかないとね」

「そうなのですね」

 国王を補佐する役って大役だわ。

 現国王陛下の退位の話は聞こえてこないので、王太子殿下が即位するまでは、まだ期間はあるのでしょうけれど。確かに付け焼刃の知識では通用しないこともあるでしょうし。

 勤勉なだけではなくて責任感も強い方なのね。

 今までとは違ったレイ様を知ったようで新鮮な気持ちになりました。
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