婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「今度はこれ」

 選び終えたのかリッキー様が私の膝の上に本をのせました。エイブは四、五冊の本を抱えています。
 もしかして、あれを全部読んでほしいのかしら。

 レイ様はリッキー様を見つめ、エイブの腕の中の本を見つめ、さらにさらに大きな溜息をつきました。

 
「申し訳ございません」

 何かを察したらしいエイブが、レイ様に、そして私に頭を下げます。

 ここはとことんまでリッキー様につきあうしかないのでしょう。本を読むのは好きですから、苦になることはありません。

「レイ様?」

 調子に乗ってとか、子供の特権が、とか、ブツブツと独り言を呟いていますが、大丈夫かしら。


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