婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「あら、珍しいわね」
シャロン様もわたしと同じように窓の外を見てポツリと呟いた。
何度見ても外は明るいわ。
「こちらにお呼びしてもよろしいでしょうか?」
バートの言葉にシャロン様はこちらをチラッと見て頷いて返事を返すと、しばらくしてフローラが姿を現した。
「ただいま帰りました」
少し息を切らし、わたしたちのテーブルのそばまで来たフローラが挨拶をする。わたしが来ていると知って急いで駆けつけたのかもしれないわね。
「お帰りなさい」
シャロン様がにっこりと笑い挨拶を返す。
「あの……ディアナ。いらっしゃい。ごめんなさい。約束をしているのを忘れてしまったみたいで、出かけてしまって」
わたしに向き直ったフローラが申し訳ないとばかりに頭を下げた。