婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「でも、ローズ様。お気を悪くされないかしら?」

「それはないわ。喜んでくれると思うわよ。疑うのなら、今度ローズ様にドレスを見せに行きましょうか?」

「えっ? それは……」

 ぎょっとした顔を見せたフローラ。

「冗談よ」

 見せになんて行ったら『今度はわたくしがプレゼントするわ』って、ローズ様言いかねないもの。今はまだ自重して頂かないとね。
 
 わたしの言葉に明るくなったけれど、刺激が強すぎたのかしらね。

 フローラって、自己肯定感が低いから物事によってはしり込みしちゃうところがあるのよね。もう少し、自信を持ってほしいところなのだけど。

「そういうわけだから、どんどん着てちょうだい。お願いね」

 テーブルに置かれた手をぎゅっと握ると、思案するように瞳を伏せていたフローラはやっと納得してくれたのか、黙ったまま頷いてくれた。



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