婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
先を急ぐように立ち去って行ったフローラの後ろ姿を見つめていると、パタンとドアが静かに閉まる音にハッと我に帰る。
「休憩しなさいって言ったのにねぇ」
シャロン様の呆れるような声が聞こえた。
「フローラらしいと言えば、そうなんでしょうけれど」
「そうね」
睡眠より研究することが大好きな人ですものね。だからこそ、色々な功績を残しているわけだけれども、時にはゆっくりと休んでほしい。親友としては心配な所でもあるのよね。
「それにしても、シャロン様。フローラって最近とてもきれいになったと思いません?」
「あら。ディアナちゃんもそう思う?」
シャロン様は片眉を上げて目をキラッとさせて問いかける。