婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「ディアナちゃん。実はね、フローラに縁談の話がちらほらとあるのよ」
「えっ?」
フローラに縁談?
思いがけない話にわたしは目をぱちくりとさせて、シャロン様を見つめてしまった。
「先日、ローシャス公爵夫人のお茶会に出席したでしょう? そこでフローラを気に入って下さった方もいらっしゃったらしくて、釣書がいくつか届いているの」
「それで、返事はどうされたのです?」
「一応、今のところ保留にしているわ。このことはフローラは知らないの。でも黙っておくわけにもいかないだろうから、話をするつもりではいるわ」
シャロン様は心を落ち着けるようにか、少し冷めてしまった紅茶を口に含んだ。