婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「まあ、良いことよね。無機質で殺風景だった部屋よりかは温かみがあってよいと思うわよ。ぜひこれを維持してほしいものだわ」
意味ありげな笑み。何が言いたいんだ。
元のモノトーンだって悪くはなかっただろう、好みの問題だろうに。
ユージーン兄上の部屋も木目調が基本なだけで、物も少ないし飾り立てていないし、俺の部屋とそんなに変わりはないぞ。何を言いたいのだろうか。
笑みをたたえて紅茶を口にするディアナをジッと見つめる。
「ところで何の用事で来たんだ?」
俺の部屋の内装にケチをつけに来たわけではないだろうし、先触もなしに来るってことは何か重要な要件があるからとは思うのだが……一向に本題に入る気配がない。