婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
それに対して反論する気はないが、ローラとの橋渡しをしているのは王太子妃である義姉上だし、その件では母上も関わっているのだろうことは容易に想像できる。もちろん、ディアナも承知の上。ローラの友人でもあるしな。
そう考えてみると面白くないな。なんか彼女達の手のひらの上で転がされているみたいじゃないか。
けれど、そのおかげでローラに会える機会があるのも事実。色々な状況を考えると複雑な心境になる。
「そんな仏頂面もよくないわよ」
額に手をのせて考え込んでいるとディアナの注意が飛ぶ。眉間寄ったしわを指でならすように撫でながら、彼女を睨むと
「それはそれで、S味があって魅力的かも……」
間髪入れずにこのセリフか。
いったいどんな顔をしろというんだ。茶化すような口ぶりながら、あくまでも淑女然とした顔でにっこりと微笑むディアナにますます眉間にしわが寄る。