婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「ご令嬢にも適齢期というものがございますし、いつまでもよい友人のままというわけにもいかないと思いますが。お気持ちがなければそれでもよいのでしょうが、独身同士の男女。ましてやご令嬢も高位貴族であれば色々と縁談もございましょう」

 セバスって、こんなにしゃべるヤツだったっけ? 
 必要なことは話すが、それ以外は寡黙な男だと思っていたのだが……

「殿下も同じでございます。ユージーン殿下の婚姻も決まり、あとはレイニー殿下お一人でございます。どうか、心をお決めになって先に進んでいただきたいのです。それこそ、横から大切な方を攫われたのではたまったものではありません」

 いつになく饒舌に熱意を込めて話すセバスに圧倒されて、口に運んでいたお菓子をぽろりと落としてしまった。
 視界に入る側近達も皆大きく頷いている。

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