婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「殿下、聞いていらっしゃるのですか?」
いつまでも返事をしなかったのが悪いのか、焦れたような声とともにバンと勢いよくテーブルに手を突き立ち上がったセバス。
一瞬で室内が静まり返る。
セバスに注目している者、こちらの反応を窺っている者。きょろきょろと交互に見る者。様々な視線の中で俺は何の返事をしようもなく沈黙した。
「まあまあ。セバス侍従長、そんなにまくし立てては、殿下も返事がしづらいでしょう」
少々、間延びした声で間に入ってきたのは、護衛騎士リーダーのダン。
これは助け船を出されたのか、庇ってくれるのか、何かを期待してもいいものなのか……判断に迷う。
「それは、そうですな。つい、感情的になってしまって申し訳ない」
「まあ、侍従長の気持ちもわかります。それで私からも気づいたことを一言」
一息置いてダンが俺へと向き直った。
いつまでも返事をしなかったのが悪いのか、焦れたような声とともにバンと勢いよくテーブルに手を突き立ち上がったセバス。
一瞬で室内が静まり返る。
セバスに注目している者、こちらの反応を窺っている者。きょろきょろと交互に見る者。様々な視線の中で俺は何の返事をしようもなく沈黙した。
「まあまあ。セバス侍従長、そんなにまくし立てては、殿下も返事がしづらいでしょう」
少々、間延びした声で間に入ってきたのは、護衛騎士リーダーのダン。
これは助け船を出されたのか、庇ってくれるのか、何かを期待してもいいものなのか……判断に迷う。
「それは、そうですな。つい、感情的になってしまって申し訳ない」
「まあ、侍従長の気持ちもわかります。それで私からも気づいたことを一言」
一息置いてダンが俺へと向き直った。