婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「我々もここしばらくお二人を見守っておりましたが、殿下がヘタレだということがわかりました。まったくもって進展がなさすぎます。ここまでもたもたしているとは思いませんでした。気が長いにもほどがあります」

 ヘタレだと? ちょっと、待て。俺は何を聞かされているんだ?
 セバスより熱がこもっていないか?

「わたくしたちからもよろしいでしょうか?」

 次に手を上げて発言を求めるのは侍女長のエルザ。
 今、何が繰り広げられているんだろう。
 セバスが頷く。

「わたくしどもも皆さんと同じです。殿下のフローラ様に対する行動は微笑ましく思い見守っていたのですが、それにも限度があると最近では感じておりました。花の命は短いのです。旬を逃して後悔するのはほかならぬ殿下ではありませんか?」

「……」
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