婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「それにしても、さすが王都一のカフェですわね。ケーキの種類も飲み物もたくさん。どれも食べてみたくて選ぶのが大変ですわ」

 メニュー表のページをめくりながらディアナがはしゃいでいます。いつにもなくテンションも高いわ。隣に座った私は彼女に倣うようにメニュー表を手に取りました。

 確かに種類が豊富だわ。これだけのレパートリーを常に準備しているなんてすごい。職人さん達も優秀なのね。サンドイッチやキッシュなど軽食もあるのね。

「フローラ、決まったかしら? どれにする?」

 不意にディアナの声。

「あ、あの……まだ」
  
 メニューを一つ一つ見すぎて、選ぶのを忘れていたわ。

「いっぱいあるものねえ。わたしは諦めたわ。ここはビビアン様に選んでいただいた方がよさそう」

「ええ、そうね」

 このままでは食べることより、カフェ経営の方に意識がいってしまうわ。ここはディアナの言う通りビビアン様に任せた方が安心ね。


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