婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「そうね。初めてだと迷いますわよね。わかりましたわ。わたくしが選んで差し上げます」
ドンと任せないとばかりにビビアン様が胸を張ります。
店員を呼び寄せると注文を始めました。
手慣れた様子に行きつけというのは伊達ではないのでしょう。店員の恭しい態度からも彼女の身分を十分弁えているよう。よく教育されているようだわ。
「楽しみね」
「そうね」
ビビアン様の様子を眺めていると隣に座っているディアナが耳打ちをしてきます。思わず経営者モードの自分を打ち消すように、軽く相槌を打ってディアナに微笑みました。
今日はお茶を楽しみに来たのだから、仕事の事は忘れないと。