婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
注文が終わり店員がいなくなるとたわいないおしゃべりが始まりました。
学園でのできごとや最近の流行など話題は次から次へと変わっていきます。ビビアン様の話術も大したもので感心するばかり。私はといえば話について行くだけで精一杯で頷くだけ。というか、ついていけてないわ。
話のテンポが早すぎて会話に入っていけない。自分の知らない話題はチンプンカンプンでなおさら入って行けず、だからと言って強引に会話に入ることもできず。結局は、聞き役に徹したのでした。
二人の会話を遠巻きに眺めながら話を聞いているうちに、お待ちかねのケーキが運ばれてきました。
それぞれの皿には種類の違う小ぶりの三種類のケーキ。
「チーズケーキね。嬉しいわ。わたしの好みを覚えてくださっているなんて」
目の前に差し出されたケーキにディアナが感激したように喜びの声を上げます。