婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「それで、お近づきの印にルナ・テラスに招待しましたの」
「「ルナ・テラスですか」」
他の令嬢達もルナ・テラスと聞いて色めき立った。
それはそうでしょう。貴族でも入店が許されているのは一握り。その貴族の招待がなければ入れないのですもの。令嬢達の、いえ貴族の憧れのお店なんですもの。
「そうですの。別のお店に案内しようにも、わたくし、カフェと言えばそこしか思いつかなかったのですもの。仕方ありませんわ」
「やはり、違いますわね。わたくしたちが行っても門前払いでまず入れませんもの。さすがに格が違い過ぎますわ」
そうなのよ。
わたくしがいなければ彼女達は門をくぐることさえできないの。
令嬢達の羨望の眼差しが心地よいですわ。
そう、わたくしは特別なのよ。