婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「やはり、ビビアン様は尊いお方ですわね。今までもそうでしたけど、ますますその気持ちが強くなりましたわ」
みんな一斉に、女神を崇めるがごとく指を組み首を垂れてしまいましたわ。
困ったわ。
わたくしは人間であって女神ではないというのに。崇拝の対象ではございませんわよ。
でも、皆さん、よく分かっていらっしゃいますわね。
「さあ、参りましょう。授業が始まってよ」
「そうでしたわ。ビビアン様の神々しさに平伏してしまって、忘れておりました。申し訳ございません」
「よろしいのよ。皆さんのお気持ちはしかと受け止めましたわ」
女神のごとく崇拝したくなる気持ちはわかりますわ。
輝くようなオレンジがかった金の髪。金色にも見える琥珀の瞳。整った美貌。メリハリのあるスレンダーな体。すべてが完璧ですもの。
皆さんが女神のようだと賛美したくなるのもわかりますわ。