婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「ごめん。あまりにもきれいだったから見惚れてしまった」
さらりと放たれた誉め言葉に、今度は私が驚いて声を失いました。
「……」
たぶん、今のは聞き間違いかリップサービスかどちらかなのでしょう。それかドレスを褒められたのかもしれません。ローズピンクのドレスとお化粧が華やかさを演出してくれていますから。
「ありがとうございます」
せっかく褒めてくださったのですから、そのお気持ちは受け取らなくてはいけませんものね。けれど、自意識過剰になってはいけないわ。
気を引き締めてみるものの、私を見つめる穏やかな眼差しに引き寄せられるように目が離せなくなりました。
なんだか、顔が熱くなってきたわ。