婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「本当に、そうですわ。四大公爵家の内、王族と婚姻関係がなかったのはうちだけでしたものね。わたくしもつらい思いをしてましたの。ビビアンが王子妃に選ばれたら、他の公爵家に見返してあげられるわ。旦那様、どうかお願いいたします」
「ああ、わかっている。我がシュミット公爵家の名誉がかかっている。尽力するよ」
「旦那様……」
お父様もお母様もわたくしに期待を寄せていらっしゃるのね。
これ以上ここにいたら見つからないとも限らない。
盗み聞きしたのがばれてしまいますわ。ここまで話が聞ければ十分ね。
わたくしは足音を立てないように扉から離れて自室へと戻った。