婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
ディアナside②
「これは……もしかして、ルナ・テラスのケーキ?」
「ええ、そうよ。そろそろ食べたいのでは、と思って買ってきたのよ」
シックなケーキ箱のロゴを確認して感嘆の声を上げたのはアンジェラ。
今日は彼女とのお茶会の日。
月に一度は東の宮を訪れている。お茶会兼情報交換会といった方が正しいかもしれないわね。
今の時間帯はリチャードはお昼寝中。
「そうなの。よくわかったわね。ルナ・テラスのケーキが恋しくなってたところなのよ」
「それは、グッドタイミングだったわね」
「あら。でも、ルナ・テラスはテイクアウトはNGだったはずだけど」
お店で出来立てを食べてもらいたいという方針があるようで、持ち帰りを受け付けていない。
「基本はね。何事にも例外はあるわよ」