婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「そうなのね。まあ、そこはディアナだからってことかしら。あっ、でも。ローズ様にもお分けした方がいいわよね。お気に入りですものね」

「大丈夫よ。ローズ様にも届けてきたわ。たいそう喜んでくださったわよ」

「さすが、抜かりないわね」

「もちろんよ」

 実はルナ・テラスは馴染みのカフェ。

 ローズ様もアンジェラもお気に入りのお店の一つなのよ。王家の御用達に指定していないから、知らない貴族も多い。
 店主もそんな称号には興味はない。

 ある貴族が趣味で始めたものだから、ひっそりと限られた顧客でのんびりと運営する方が性に合っているらしいわ。
 お祖父様の友人でわたしも随分とかわいがってもらってたおかげで、いつもなら顔パスなのよね。

 少々のわがままを聞いてもらえるくらいには親しいのよ。今回のようにね。
 
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