婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
問題はそこよね。
二人がうまくいってこそ、外堀を埋めた甲斐があるというもの。
「それが……なかなか」
「もしかして、まだ、仲の良いお友達関係が続いているとか……」
言い淀んだわたしの言葉を察したのか、呆れたような顔で見つめられてしまったわ。
「朗報が届かないところをみるとそんなことだろうとは思っていたけれどもね。レイニーったら、何やっているのかしら。サッサとプロポーズしちゃえばいいのに。フローラちゃんって恋愛事は鈍そうだし、はっきり言わないとそのうち誰かに取られちゃうんじゃないの?」
「その可能性は無きにしも非ずなのよね。縁談は来ているっていうし。レイニーには一応、危機感を匂わせてはみたけれど、どこまで通じていることやら」
アンジェラは興奮した気持ちを静めるように紅茶を手に取った。
少し冷めてしまった紅茶の温度がちょうどいいわね。