婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「そろそろ帰らないと。祝賀会も終わるのではないかしら」

「そうだね。ホールに戻ろうか?」

 ここに来てからかなり時間が過ぎたような気がします。両親も待っているでしょうし、心配させてしまいます。

「それでは、フローラ。一緒に行きましょう」

 ディアナの帰りを促す声にどうするべきかレイ様を見ると

「その方がいいね」

 頷いてくださいました。

 揃ってホールに戻れば余計な詮索をされてしまうかもしれません。

 私はディアナとレイ様は公爵様と別々にホールに戻りました。

 幸せだった時間は一瞬で、瞬く間に泡のように消えてしまい、やるせない気持ちはどうしようもなく心の奥に沈んでいきました。

 そして、レイ様の話は聞けないまま夜が更けていきました。 

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