婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
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「よい祝賀会でしたわ。ユージン殿下とポラリス嬢。とてもお似合いでしたわね」
馬車が走り出してしばらくたった頃にお母様が感動しきりに祝賀会の話しを始めた。
「ああ、あとは婚礼の日を待つだけだ。これから忙しくなるが、慶事だから担当の者たちも皆張り切っていたよ」
お父様は内務大臣。国内行事の重要な役割を担っている。
「そうでしょうね。それに、また一つ慶事が増えるかもしれませんわ」
「まだ、決まったわけではないよ。早計というものだよ。滅多に口に出すものではない」
「わかっておりますわ」
お母様は高揚した気分を抑えきれないのか、頬が緩みっぱなし。機嫌がいいのは良いけれど、何を想像しているのかわかるだけに、憂鬱な気分のわたくしには少々鬱陶しい。
「それにしても、レイニー殿下の美貌は噂以上でしたわね」
「わしがそう言っただろう?」