婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
悔しい。悔しいわ。
いつの間にハイスター公爵まで引き入れているのよ。ディアナもなんでわたくしに公爵を紹介してくれなかったのよ。わたくしに先に引き合わせるのが礼儀でしょうに。
そしたら、もっと早くレイニー殿下と会えていたわ。こんな惨めな思いをしなくてもすんだのよ。
期待に満ちた数時間前は今は夢まぼろしのように消えてしまった。
「ねえ、お父様? レイニー殿下のお相手は決まっているのですか?」
「いや。何も聞いていない。これからだよ。ビビアンも興味があるのかい?」
「ふふっ。気にしている令嬢がたくさんいらっしゃるので、聞いてみましたの。素敵な方ですもの。みんな憧れますわ」
「そうか、そうだな」
そうよね。まだ、正式に決まったわけではないわ。まだ、わたくしにもチャンスはあるはずよ。それに、結婚するまでは何があるかわからないものね。
フフフ。
大丈夫よ。
最後の最後に結婚出来ればいいのよ。諦めないわ。