婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「こんにちは。具合はどう?」

 手には大きな花束を抱えていました。あとに続くようにサリー達がなにやら品物を運んできて、チェストの上に並べ始めました。

「一人では持てなかったから、手伝ってもらったわ。みんなからお見舞いの品を預かってきたのよ。気軽に外出できない方達ばかりだから」

 気軽に外出できない方って……まさか、ですよね?

 サリーは部屋に案内されたディアナに椅子を用意すると、私にはショウガと蜂蜜をいれた紅茶とディアナには紅茶とチーズケーキを準備してから、部屋の奥に控えています。

「先ずは、これね」

 ディアナは自分が抱えていた花束を差し出しました。

 ベビーピンクの薔薇の花束。
 しかも百本くらいありそうなたくさんの薔薇です。花が咲いているもの、咲きかけのもの、蕾のもの。割合的には蕾の方が多い。それをバランスよく束ねてありました。

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