婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「そうなのよ。困ったことに、その自覚が全然ないのが致命的なのよ」
「ふふっ。そうね。ベス、あなたも苦労するわね。エドガーもリリア嬢にはとことん甘いものね。彼から自覚を促してくれるのが一番効き目があるとは思うのだけども、うまくいかないものね」
「そのことも頭の痛い原因の一つだわ。そんなに怒るな、厳しくするな、リリアはやればできる。もう少しだけ時間をくれって、この一点張りだもの。だから、リリアさんもそれに甘えるのよね。あれではいつまでたっても身につかないわ」
同じ学ぶのなら一緒の方がリリアさんの励みにもなって教育も進むだろうと思って、エドガーも参加させたのが徒になったわ。
「ほんとにねぇ。努力と頑張りの片鱗でも見えれば、まだ見込みもあるのだけれども、やる気がないのが見え見えですものね」
姉の言う通りなので何も言えないわ。最初から躓くなんて想像もしていなかった。
本音では、エドガーを後継者から外したいのだけれど、スティールが渋っている状態では外すに外せない。そんな理由もあって、侯爵夫人教育を始めることにしたのだ。