婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「それに、こういう口実がないとあなたになかなか会えないもの。実は毎週ベスに会えるのを楽しみにしているのよ」
姉はとびっきりの笑顔で微笑んでくれた。
「実は、わたくしも、毎週心待ちにしてました」
忙しい姉に無理を言って講師を頼んだのも、姉に会いたかったからというのも大きかった。小さい頃からわたくしを可愛がってくれた姉が大好きだったから。
「じゃあ、お互い様ね。でも、講師としてちゃんと勤めるわよ。そこは線引きしますからね」
「はい。もちろんですわ。お姉様、これからもよろしくお願いします」
わたくしは晴れやかな気分で姉に頭を下げた。