婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
すれ違う心
「わーい。ローラおねえちゃんだ」
やっと風邪が治って体が回復した私は、お休みしていたリッキー様の語学学習のために登城して部屋に入るなり抱きついてきたのはリッキー様でした。
腰の辺りにぎゅっと抱きついて喜びを表すリッキー様の姿は微笑ましく心がポカポカと温かくなります。
「リッキー様、お久しぶりでございます」
「うん。ずっと、ローラおねえちゃんに会いたかったんだ。病気はよくなった?」
「はい。すっかり、治りました。ご心配かけて申し訳ありません」
小さい殿下にも気遣いをさせるなんて、教師失格だわ。
「ニャー、ニャー」
リッキー様の声に呼応するようにマロンの鳴き声がしました。足元を見るとスリスリと私のドレスに纏わりついています。その姿を見て思わず二度見してしまいました。
「マロンよね?」
「ニャーン」
「大きくなってるわ」