婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「よかった。帰ると言われたらどうしようかと思った」
安心したように息を吐いた様子にトラウマにさせてしまったのかもと申し訳ない気持ちになりました。
あの時の自分の気持ちを打ち明けたら、レイ様はどんな顔をするのかしら。
きっと、困らせてしまうわね。
「大丈夫ですよ。夕食楽しみにしています」
これが最後かもしれません。
時間をかけて庭園を回りながら、レイ様との会話を楽しみました。
もう少し、もう少し、ゆっくりと時間よ、過ぎていって。
いえ、時間よ、止まって。願っても、楽しい時間はあっという間で、無情に過ぎていきました。