婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


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「はあ……」

 大きな溜息が飛び出します。今日は何回目かしら。

 邸内の研究室。今日の工程を終えて記録誌を閉じました。リッキー様の語学学習を終えた後、まっすぐに帰宅して研究室に直行して、仕事に没頭していました。

 そうしなければ考えてしまうから。

 
「はあ……」 

 もう何度目かのため息の後

「まあ、大きな溜息ね。どうしたの?」

「お母様」

 開いた扉から顔を覗かせていたのはお母様でした。気づかなかったわ。いつからいらっしゃったのかしら。

「休憩は取れそうかしら? 一緒にお茶でもどうかしらと思って、誘いに来たのよ」

「はい。大丈夫です。今日の分は終わりましたし、ちょうどお茶したいなって思っていたところでした」

「よかったわ。テラスでお茶しましょう」

 お母様と連れ立って研究室を出ました。

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