婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
義姉上にもお願いしてみたのだが、今はそっとしておいた方がいいと言われてしまい、お手上げ状態だ。
いったい、何がいけなかったのだろうか。
俺のことを嫌っているようには見えなかったし、手をつないでも抱きしめてもイヤな素振りはなかった……ように思える。俺の腕の中にすっぽりとおさまるローラのどこに俺を嫌う要素があるのか、知りたいくらいだ。そう思うくらいにはしっくりときていたのに。
『申し訳ありません。お受けできません』『お受けできません』『お受けできません』……
ローラの声が何度もこだまする。
「はあ……」
出るのは溜息ばかりでやる気も起こらない。
心を通わせられていると思ったのは、俺の独りよがりでうぬぼれだったのか?
ローラとの思い出が次から次に浮かんでくる。いや、思い出にしてはいけないだろう。まるで、もう終わってしまったようではないか。